本を取り巻く現状
団体ができたきっかけ:代表飯田の経験
ある日の事
大学生は社会人に比べて時間にゆとりがあります。本を読むことが大好きな私にとって図書館は長居できるオアシスそのものです。様々な本を借りて、いろいろなことに思いを馳せます。そしてこの感情を誰かと共有したい!、、、あれ?
誰とも共有できない
私は大学に入って、多くの友人を得ました。
それでも、一人とも本に関する感想などを述べ合ったことはほとんどありませんでした。
なぜか、単純にそれは周りに読書好き大学生がいなかったからです。
彼らは普段時間があるとき何をしているのか。
SNSや動画配信サービスを見ているのです。
私もその媒体は好んで利用します。
簡単な情報を調べたいときや、暇つぶしの時間に利用するにはうってつけのサービスです。
でも一人もいないものなのか!?
私は日本人が今どれくらい本を読んでいるのか気になって調べてみました。
そしてこの行為が後々団体を立ち上げるきっかけとなりました。
48
この数字が表すことは何かわかりますか?
第55回学生生活実態調査 概要報告 3.生活 (2)読書時間より抜粋
大学生、二人に一人は本読まず
これは、大学生協が行なった第55回学生生活実態調査に記載されていたある割合に関する数字です。御察しの良い方はわかったと思います。
この数字は、「一日の読書時間は0分」と答えた日本人学生の割合です。
48% 約半数の大学生が1日に1秒も本を読んでいなかったんです。
また、平均読書時間は30.4分でした。
そりゃなかなか本好きには出会えないわけだ。
世界でワースト2位
アメリカの情報機関「NOPワールド」が2016年に発表した「世界主要30国の一週間あたりの読書時間」は、一位のインドが10時間42分であるのに対して、日本の読書時間はその半分以下の4時間6分です。
しかも、日本はワースト2位でした。
日本人は世界の中でも本を読まない方なんです。
NOP World CultureScore Indexより引用
このままだと
どうなる?
教養が育たない社会へ。
この読書離れ状況を放置することで、起こりうる問題は、
読書環境の減少です。
本が減っていく
出版業・書店業の縮小
出版不況
全国出版協会が発表した「出版月報」(2018年)では、紙と電子を合わせた出版の市場規模が前年比3.2%減(1兆5,400億円減)との発表をしています。電子書籍は2015年から4年で65%売上増と成長著しいですが、書籍売上の8割以上を占める紙書籍は4年で17%売上減と、結果的に書籍売上に大きな負の影響を与えているのです。
書店閉店ラッシュ
日本著者販促センターが発表した、日本における書店数の変化のデータでは、1999年の22296店舗から2017年の12526店舗へ、約1万の書店が減ったことが示されました。この数字は私たちが実際に訪れる店舗だけではなく、学校などに卸売をするお店も含まれています。
つまり、私たちが関われる実店舗はもっと少ないとも言えるのです。
本が減っていく
出版業が赤字になればなるほど、新しい本の出版は減少していきます。また書店数が減っていくほど、本に触れることのできる物理的環境がそれだけ減っていくということです。
本が教養を磨く
読書は、人に知識を与えるとともに、想像力や思考力を鍛え、判断力や創造性を培い、個人の自立の基盤を作る。それは、先人とのコミュニケーションの場であり、未知の世界への道案内となり、また、悩みの解決へのヒントを示唆し、自分の頭で徹底的に考え抜く訓練の機会を与え、個人の内面を広げ、鍛え、深めてくれる。本を読むことで我々は先人の知を吸収し、人生をより厚く、深く生きることができる。
文部科学省「国民の読書推進に関する協力者会議」報告書より抜粋
文科省の報告書の通り、
本を読むことで人生は素晴らしいものになっていきます。
また、私の通う大学の学長の出口治明さんも、読書をすることで先人の知恵を学び教養を深めていくことができると、様々な本で主張されています。教養がない社会はイノベーションが起こりにくく国が発展していかないともおっしゃています。